北室院　略縁起

弘法大師高野山を御開創の当時伽藍浄域に中院を中心に東西南北の四室の御住坊を建立されたその唯一の名室であって、もと谷上にあったが元禄年中観音院が廃寺を命ぜられその院宇境内を北室院に賜ったので伽藍火除のためここに移る。
奥州仙台の伊達候、伊予宇和島の伊達候、播州竜野の脇坂候等、諸大名の帰衣暑く特に伊達政宗の供養宝物などを多く蔵し政宗候以下各家歴代の位牌を安置している。
本尊五大力菩薩は弘法大師の御真筆と伝えられ仁王会の本尊として重要文化財に指定されている、仁王会は古来毎年旧正月11日一山の法要として国家安泰五穀豊穣を祈願して当院に於いて奉修される。